
「ギターに挑戦してみたい!」と思ったとき、まずは楽器屋さんを眺めるでしょう。そして、ギター1つとっても高いものから安いものまで値段が様々であることに気づきます。小学校のリコーダーのように簡単な買い物ではありませんね・・・。
さて、初心者は高い楽器を買うべきなのでしょうか?
それとも安い楽器から手にするべきでしょうか?
手頃な値段のギターから始めるのが良さそう。
ギターの上手な先輩に相談すると、「初めてでも良いやつを買えよ!20万円くらいのさ」と言ってくる人が多いでしょうか。楽器屋の店員さんに相談しても、「10万円くらいの上質がものがオススメです」などと言われそうです。
「一生モノだから、20万円くらいのを買っちゃえよ」と言われると、「それもそうだよな」という気がしてしまいます。
でも、ちょっと待って!
私が思うに、あなたが楽器初心者なのであれば、高級品を買うのは時期尚早です!
10万円でも高すぎます。最初の1台は、せいぜい3万円くらいのものを選べば充分ではないかと思われます。アコースティックギターであっても、エレキギターであっても。
最初はあまり高いものを買うべきでない、のです。
楽器のお手入れ、ちゃんと継続できる??

初心者があまり高いギターを買うべきでないのは、なぜなのでしょうか?
「楽器はお手入れが必要だから」です。楽器はニンテンドーDSとは違って、きちんと掃除をしたりお手入れをしたりしないと、すぐに劣化してしまいます!
20万円のギターはたしかに「一生モノ」と言えますが、それもお手入れをしないなら5年でみすぼらしくなってしまいます・・・。
楽器を弾いたあと、すぐにクロスでふき取るお掃除をすべきです。毎日です。
「カンタンじゃん!」と思うかもしれませんが、意外と面倒くさいのです(笑)
でもそれをしないとすぐに弦がサビますし、楽器本体もサビたり汚れてみすぼらしくなってしまいます。弦も本体も、汚れると音の鳴りが悪くなってしまいます。
特にロック音楽に興味を持つ子は、継続的なお手入れが出来ない子が多いようで・・・。
だから、高価なギターを買うのはお手入れの習慣が身に付いてから!
そのため、高価な楽器を買う時期は、「お手入れの習慣が身に付いてから」のほうがよいです。
そもそも、ギターが続くかどうかもわかりませんよね(笑)多くの子は、途中で投げ出してしまうものです(笑)
「僕はギターを長く続けられそうだろうか?」
少なくとも1年くらいは様子を見ましょう。
「毎日クロスで拭き掃除できるかな?」
これも1年くらい様子を見ましょう。
「ギターを弾き続けそう」「お掃除は習慣として身に付いたよ」そう感じられたなら、10万円を超えるような楽器を買うのもよいですね♪
楽器は元々、お上品な文化だった。
ロック音楽やエレキギターが流行るようになってから、そういう印象は薄れてしまったかもしれませんが・・・楽器は元々、ちょっとお上品な文化なのです。
「道具を丁寧に扱う」というような気持ちのある人がたしなむものでした。
「道具は丁寧に扱うのだよ」と当たり前のように最初に教えるものでした。
ロック音楽をやる人には楽器を雑に扱う人も多いのですが、それは音楽の歴史から言えば珍しい存在なのです。
吹奏楽部では、部員たちは毎日毎日、練習の終わりに楽器を丁寧に拭きます。朝練が終わったとにも拭きます。20分の練習のために、10分間も楽器を拭きます。本当にそれくらい丁寧に楽器を扱います!
吹奏楽部の子たちは、スネアドラムの打面すら、毎日クロスで拭き掃除します!どうせ汚れていくんですけどね、丁寧にスネアドラムを手入れする習慣を持っています。
演奏はハデにガーンとやっても良いんです。でも、楽器は丁寧に扱うべきなんです。
大胆かつ繊細に!ですね♪
どんなギターが自分に合うか、最初はわからない(笑)
最初に高級品を買うべきでない理由がもう1つ!
それは、どんなギターが自分に合うか、最初はわからないからです(笑)
たとえば、多くの子はギターを見た目で選ぼうとします。でも、弾いているうちに「体にフィットするかどうかが重要なんだなぁ」と気づきます。でもギターはズボンと違って裾上げなどできません・・・。
「テイラー・スウィフトと同じギターが欲しい!」と最初は思うかもしれませんが、弾いているうちに「私は小ぶりなギターのほうが弾きやすいわ」と気づくかもしれません。女の子は小ぶりなギターのほうが弾きやすいです。
いろんな人にギターを触らせてもらおう。
ギター生活が始まったら、出会うギター弾きの色んな人に、「ちょっとそのギター、弾かせてもらっていい?」とお願いして、触ってみましょう。ギターの大きさやボディの形、弦の高さ、色んな個性があることに気づきます。そして、自分にとって弾きやすいギターがどんなものか、だんだんわかってきます。どんなギターが自分の好きな音色か、わかってきます。
そうなってから高級なギターを買いましょう♪
他人の楽器は丁寧に扱うべし!
ギタリストの中には、人にギターを触られたくない人もいます。それも、「ギターは大切にお手入れしなきゃ」ということを体感的に理解すると、気持ちがわかるようになるでしょう。
気持ちがわかるようになると、「もし良かったらでいいんだけど、少しだけ触らせてくれない?」と丁寧にお願いをするようになるはずです。相手を配慮していることが伝わると、「この子なら弾かせてもいいかな」とOKしてもらえることが増えます。疎まれることが減ります。
ギターを借りたら、クロスを借りて自分が付けた手汗を拭きましょう。「そんなことしなくてもいいよ!」と言ってくれる人もいますが、それでもいつも、即座に拭いてから返すつもりでいましょう。
お子さんに楽器をねだられた場合も、同じ。
お子さんに「ギターがほしい」「楽器がほしい」とねだられた場合も同じです。
高い楽器を欲しがるでしょうし、店員さんも高い楽器を勧めてくるでしょう。だけど、「あなたが楽器をメンテナンス出来るか様子を見るわ」と言いましょう。3万円のギターで充分です。
近年は、1万円ちょっとのアコースティックギターでも充分な品質があるくらいです!1.2~1.5万円くらいで、入門セットの付属した、充分な品質のアコースティックギターが買えます。YAMAHAでも見つかりますよ。
もちろん方針は家庭によって様々でよいのですが、「高価な楽器は、自分でバイト代を貯めて買いなさい」とする家庭が多いです。親が与えるのは3万円程度のもので、10万、20万円の「一生モノ」は、子が自分でバイト代を貯めて買っているのです。そういう子が多いです。
そして、こういう子は楽器が長続きしていますし、上達しています。自分が汗水流して買った楽器は、愛着がわくからですね♪
いかがでしたか?
親が子に愛情を注ぐことは大切です。子が楽器を欲しがったときに、「じゃあ入学祝いに!」などと高級品をフンパツするのは、いかにも愛情深い行動に思えますよね。
でも、本当に大切なのは「子が楽器を続けていけること」「上手になっていくこと」です。
そしてそのためには、意外と、過保護にするよりもちょっと突き放したほうが効果的なようです(笑)「高い楽器が欲しいなら自分で努力して買いなさい」と。