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在宅介護の限界の目安は?老人ホームに入ってもらう方法は?


在宅介護を続けるのはもう限界!老人ホームを検討してよいのかしら?
このデリケートで深刻な問題は、「まだ余力はあるかな」と感じるうちに、先回りで考えて、対策しておく必要があります。
愛する高齢家族を突き放したいわけじゃない。でも在宅介護は限界だ。そんなときに、どうやって老人ホームにスムーズに移行すればよいでしょうか?
このサイトでは、介護者、被介護者両方の心に寄り添って、丁寧に解説を試みます。

 


在宅介護の限界の目安は?

「在宅介護はもう無理だ。老人ホームや施設に入ってもらおう」そう判断するに適した目安を解説します。
重要な点として、「要介護度3」などの数字的な目安ではないです!

  • 自分でトイレが出来なくなったとき。

  • 徘徊、迷子、警察保護が始まったとき。

  • 一人暮らしが難しくなってきたとき。

  • 介護者への配慮ができなくなってきたとき。

  • 体にマヒ症状が出始めたとき。

  • 脳の病気になったとき。

  • 「要介護5」「要支援2」などを限界の判断基準にしないこと!

  • 「寝たきり」が目安基準なわけでもない!


特養の「要介護3」を待つのも間違い!今では特養と有料老人ホームで費用の差は小さい。

上記のすべての条件を満たしたときではないです。1つでも該当するなら、もう施設入居に前傾姿勢になるべきです。
それでは、それぞれの項目を詳しく解説していきましょう。

 


自分でトイレが出来なくなったとき。

高齢者が、自分でトイレに行くことが出来なくなってきたときは、積極的に老人ホームへの入居を検討しましょう。
高齢者は夜中に2度3度とトイレに行くことがあります。そのすべてで介護者の手助けが必要となったら・・・介護者は睡眠時間が取れず、倒れてしまいます!

トイレ介護は、それ自体が大変なばかりでなく、トイレに駆け込むのに間に合わず失禁してしまった際にはその処理にとてもつもなく煩わされます。時間を取られるだけでなく、精神的肉体的ダメージも大きいものですね。
特に夜中のトイレ介助が重なったなら、「これはもう自宅介護の限界」と考えましょう。
周囲に相談する際、おどおどせずに、「もう限界だわ」と言い切ってよいです。

 


徘徊、迷子、警察保護が始まったとき。

高齢者は、特に認知症が始まると、理由もなく外を徘徊しはじめたりします。
徘徊の始まりはもう危険で、その段階で「在宅介護は限界が近付いた。老人ホームの検討だ」と考えましょう。
特に迷子になってしまって呼び出されるようになると、介護者はもう仕事どころではなくなります。介護者の生活に致命的なダメージとなります。

警察に保護されて連絡が来る、といったところまでくれば、もう周りから非難を浴びるような泣きっ面にハチとなりがちで、それは避けたいところです。
徘徊が始まったら、周囲の人々に「警察などにご迷惑になる前に、在宅介護は切り上げないとね」などと話し始めましょう。

 


一人暮らしが難しくなってきたとき。

高齢者が一人暮らしをしている場合、その生活に支障が出始めたらやはり、老人ホームへの入居を積極的に検討すべきフェーズです。
よくあるのが、火の不始末によるボヤ騒ぎです。それは高齢者の命に関わり、近隣住民の命も、そしてたくさんの住居への多大な影響が及びます!
ボヤ騒ぎが起きると「さすがに老人ホームだ!」となるご家庭は多いのですが、「そうなる前に一人暮らしは切り上げるべき」です。
ボヤが起きてしまえば、金銭的な負担など莫大なものが発生してしまいます。その兆しが見え始めたらもう動くべきです。

「お醤油どこだったかしらね?」「お役所は今日は開いてるかしらね?」などと、一人で容易に出来るはずの事柄について電話が掛かってくるようになってきたなら、「もう一人暮らしが難しくなった」と判断できます。

 


介護者への配慮ができなくなってきたとき。

介護者が明らかに仕事に行っている時間なのに、電話をかけて「カップラーメンを買ってきて」などと言ってきたり、「寂しいからまだ帰らないで」などと介護者の疲労を配慮できない言動が増えてきたなら、自宅介護は限界です。
認知症の診断はされないかもしれませんし、要介護認定も付かないこともありますが、「介護者に配慮が出来ない」という状況に陥ると、もう介護者は地獄です。
こうした過度のわがままは、認知症による場合もありますが、老衰や病気への不安からであったり、もともとの気質でわがままな高齢者もいます。
年齢、認知症の有無、要介護度、要支援、病気の有無や進度にかかわらず、こうなったら介護者の負担は大きすぎます。

 


体にマヒ症状が出始めたとき。

体にマヒ症状が出始めたときも、「自宅介護は限界」の目安と考えましょう。
マヒが出ると、お茶をこぼしたり転んでしまったり、身の回りのことが出来なくなったり、といったことが格段に増えます。介護者の手伝いが格段に増えるのです。
脳疾患の際などにマヒ症状が遺ることは多いですが、特に大きな病気を経ずともマヒで動きづらくなることがあります。様子を観察して「マヒのようだ」と感じたら慎重になりましょう。

体の一部がマヒしていても、高齢者の思考や感情は元気なこともあります。「まだまだ若いわよ!」「まだまだ一人で暮らせるわよ!」「まだまだ遊びに行くわ!」などと気丈に言っていても、周りからの説得や老人ホーム入居への準備が必要です。

 


脳の病気になったとき。

脳梗塞、脳腫瘍など脳の病気になり入院した場合には、もう老人ホームの入居を検討しはじめましょう。
病気が回復して自宅に戻ってきたとしても、体にマヒを遺してしまうことが多いです。
そしてマヒがあると、上記トピックのように介護者の負担が大幅に増え、自宅介護は困難を極めます。

もちろん、マヒが遺っていなくても、退院の際に医師やメディカルソーシャルワーカーの人などに「自宅介護は難しいだろう」とアドバイスされたなら、老人ホーム入居に舵を切りましょう。

 


「要介護5」「要支援2」などを限界の判断基準にしないこと!

介護生活が限界かどうか、自分で判断するのは難しいものです。真面目な人ほど、「もう少しがんばるべきだ」「もう少し耐えられるはずだ」と考えてしまいます。
そして限界の判断基準を「要介護5」「要支援2」などの客観的数値に仰ごうとする人は多いのですが、その考えは適切ではありません!
要介護が無くても、要支援が1でも、自宅介護の困難な老人はいます。すでに介護者が疲弊しきっていることもあります。
要介護、要支援の数字は他者を説得しやすい数字だから、と考えるかもしれませんが、こうした認定を盾にとらずとも、「夜中のトイレ介助が増えて寝不足になってきた」などと伝えれば、周囲はわかってくれるはずです。

実際のところ、施設に入居する高齢者の1/4は要支援1,2の段階にすぎません。
要介護を待たなくてよいです。

 


「寝たきり」が目安基準なわけでもない!

老人ホームや類似施設に入居する目安は、「寝たきり」になったときでもありません!
寝たきり生活に突入していなくても、自宅介護は限界を迎えていることが多いです。
そして、実は寝たきりになった後よりも、まだ外出したり立ち歩いたりできる時期のほうが、介護者の苦労は大変であったりします。あちこち動き回るのですから。

 


特養の「要介護3」を待つのも間違い!今では特養と有料老人ホームで費用の差は小さい。

また、施設費用がかさんでしまう懸念から、「要介護3までは辛抱しよう」と考える介護者も多いようです。特養に入れる基準が要介護3なのですね。
特養は費用が安く、有料老人ホームは費用が高い、というイメージをお持ちでしょうか。
昔はそうだったのですが、近年では有料老人ホームに新規参入が増えており価格競争が起き、特養と有料老人ホームで費用の差はあまりありません。

 


我慢比べをしないようにしましょう!

日本人は「出来るだけがんばって自宅介護をすべき」と生真面目に考えてしまう人が多いです。いいえ、そんなに無理をしなくてよいです!
基本的に、「自宅介護はもう辛いな」と思ったなら、老人ホームに託してよいです。

「老人ホームに託したいけど、どうかな」と思いはじめたとき、知人に相談をするでしょう。
その際、相談する相手は慎重に選ぶべきです。
ギリギリまで在宅で介護し続けたような人に相談してしまうと、「まだ出来るわよ!甘えてはだめよ」などと厳しいことを言われてしまいがちです。
それよりも、比較的早く老人ホーム入居を決断したご家庭に、相談をしましょう。
あなたの辛さをわかってくれて、施設移行へ背中を優しく押してくれるでしょう。
彼らの優しい言葉は、あなたが旦那さんやご家族を説得する強力な後押しにもなります。

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